2003.05.11 RAM LAB(田口卓臣 編)

エドワード・サイード「もうひとつのアメリカ」
(Al-Ahram Weekly, Issue No. 630 2003年3月20日-26日)
The other America
Edward Said

March 20-26, 2003

【原文】http://weekly.ahram.org.eg/2003/630/focus.htm
【日本語訳】http://home.att.ne.jp/sun/RUR55/J/OtherAmerica.htm


【概要】
エドワード・サイードは、アメリカにはふたつの顔があると言う。ひとつは単純化された、世界中に流通しているイメージ。もうひとつは、そのような単純さには決しておさまらない複雑で多様な顔。前者はマクドナルド、ハリウッド、ブルージーンズ、コカコーラ、CNNに象徴される。それはまた、「神聖なまでの利他主義と無邪気な善意という驚くべき自己肯定」によって帝国主義を貫く。そしてネオコン(新保守派)とキリスト教右派の結びついた現政権下では、アメリカ国内での保険制度や教育の深刻な危機はいまだ棚上げにされている。他方、後者の顔は非因習的であり、経験と良識を持つ。それは大学キャンパス、アメリカ先住民、ラテン系、ムスリムなどのエスニック集団、フェミニストたち、非暴力をうったえる諸団体・諸個人など、様々な動きを見せている。これは、無数のオルタナティヴなムーヴメントが国籍を超えてつながる世界的潮流に対応している。この「もうひとつのアメリカ」に、サイードは希望を見出す。

【抜粋】
「グローバリゼーションのおそらく意図せぬ結果のひとつは、人権運動や女性運動や反戦運動などに見られるような、グローバルな利害で結びついた国籍を超えた共同体の出現である。アメリカは、こういうものから少しも隔離されているわけではないのだが、世界の多くの人々が参加している一連の議論に参加することができるようになるためには、威圧的に結束した表面を掘り崩し、その下に潜んでいるものをあらわにしなければならない。希望と励ましは、そのような観点から得られるだろう。」

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