| 2003.12.07 RAM LAB(田口卓臣 編) | ||
イマヌエル・ウォーラーステイン 「サダム・フセインは敗北したのか?」 |
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| Has Saddam Hussein Lost? Immanuel Wallerstein August 1, 2003. |
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【原文】 http://fbc.binghamton.edu/118en.htm 【日本語訳】http://fbc.binghamton.edu/118jp.html |
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【概要】 |
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| 果たしてイラク戦争は終わったのか?アメリカが勝ったのか?アメリカによる「戦争終結」宣言後のアメリカ兵の死者は、宣言前にでた死者の数を大きく上回っている。しかも、いまやアメリカ軍は、見えない敵の襲撃に手を焼くあまり、民間人への無差別的な攻撃を始めているのである。イラクの状況は確実に泥沼化していると見るべきだろう。 ウォーラーステインは2003年8月の時点で、こうした現在の状況を的確に予測していた。彼によれば、いつも強者の側にたってきた者には、目の前の結果だけから勝ち負けを判断しようとする傾向がある。視野を広くし、中期的な展望を持たなければならない、と彼は言う。 この見地から彼は、イラクの歴史を1950年代にまでさかのぼって概観する。アメリカがソ連との冷戦構造のなかでイラクに通常兵器・生物化学兵器などを供給していた事実、イランと戦争するイラクを支持していた事実、ソ連崩壊後に国際的な力関係が変化したこと、そして第一次湾岸戦争がひきおこされた背景等を記述していく。こうして基礎的な歴史を踏まえたうえで、彼は今後のイラクの状況を以下のように予測するのである。 |
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【抜粋】 |
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| 「もし、あなたがサダムだったとしたら、勝つ見こみのない第二次湾岸戦争を前にして、どんな対策を立てるだろうか。選択はひとつしかない。第三次湾岸戦争に備えることである。では、あなたはどんな準備をすればいいだろうか。 第一に、全軍のなかでは少数だが、自分に忠誠を誓う勇猛な兵士をできるだけ失わないようにすることだ。だから米英軍の攻撃を受けて立つにしても、早い段階できっぱりと抵抗を止める。 第二に、大がかりな略奪を組織しておこない、国内を混乱させる。 第三に、あなたがすることはゲリラ攻撃だろう。最初は米兵を標的にする。それから次第に攻撃の手を広げ、アメリカに協力するすべての者を狙ってゆく。 あとは何も急がずに、アメリカの体制が足もとから崩れていくのを静かに待つ。 しばらくすれば流れが変わり世論が自分の有利に傾くだろう、とあなたは考える。 アメリカとイラクの世論が必ず情勢を動かす。 アメリカでは市民が、じわじわと増えつづける戦死者の数におびえ、イラクの統治が何もうまくいかないことに不安になり、ブッシュ政権の得意技となっている嘘やごまかしに嫌気がさして、イラクでの作戦をもう支持しなくなる。 やがてイラクでは、虐殺と拷問で知られたサダムを、祖国のために抵抗をつづける英雄としてたたえるようになる。たとえアメリカがサダムを探し出して殺したとしても、サダムの姿は人びとの心に刻まれるだろう。アメリカが「イラク解放」を果たしたという物語を信じる者などいない。十字軍を打ち破ったサラディンの威光には及ばないけれど、敵に武力で劣るのだから、サダムもほどほどで満足しなければならない。 サダムの政府を叩きつぶせば勝利は我がものとなる、とブッシュは信じていた。一方サダムは、ブッシュを政権からひきずり降ろして最後に勝つのは自分だと計算していた。どちらの読みが正しいか。勝負の行方はやがて見えてくる。」 ウォーラーステイン Commentary 一覧≫ http://fbc.binghamton.edu/commentr.htm |
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