東武バス 三郷営業所・吉川出張所


1.概要

三郷営業所はかつて越谷営業所の出張所であったが、路線網の拡大により営業所として独立した。吉川出張所も越谷営業所の出張所であったが、三郷の営業所昇格により三郷営業所の出張所になったはずである。三郷周辺の路線派昭和48年の武蔵野線開業を期に再編成され、それ以前の路線は亀有〜吉川線と柏〜草加線、大広戸〜江戸川台線を除き廃止されている。


2.路線紹介

金町〜三郷線

金52 金町駅南口〜大膳橋〜三郷団地〜新三郷駅
金52 金町駅南口〜大膳橋〜新和一丁目・三郷団地
金53 金町駅南口〜大膳橋〜市役所〜三郷団地
三01 三郷駅南口〜三郷団地

19?年(昭和5年)以前 越谷自動車営業所、金町〜吉川間を運行。(葛飾区史)
19?年           越谷〜金町間が総武鉄道に買収される。
1944年(昭和19年) 3.1 総武鉄道、東武鉄道と合併。当時の運行区間は金町駅〜久兵衛〜大広戸(現三郷駅付近)〜前間〜吉川〜越谷駅。(柏市史)
1973年(昭和48年) 4.1 武蔵野線の府中本町〜新松戸間開業に伴い三郷駅で路線を分割。亀有駅〜三郷市役所〜三郷駅線の運行を開始。(広報みさと)
1999年(平成11年) 3.19 東武バス(吉川)、亀有駅〜市役所〜三郷線を廃止。(埼玉のバス時刻表)
2000年(平成12年) 9.1  金町駅〜三郷市役所〜三郷団地線を新設。
2002年(平成14年) 3.21 三郷団地〜新三郷駅間を延長。

常磐線と三郷駅を結ぶ路線の中では最も本数が多い。江戸川沿いの片側1車線の県道をひたすら北上する。交通量はかなり多い。大正橋で松戸からの路線が合流してくる。平成12年9月1日より大膳橋と三郷市役所を経由する系統が新設された。特に本数が増えたと言うわけではなく、平日の金町〜三郷団地間の運用の一部が市役所回りになったというだけで金町駅〜新和一丁目間の区間便が延長されたわけでもないし、金町〜三郷間の本数が増えたと言うことも無い。また平成14年3月の改正では三郷団地行の半数が新三郷駅まで延長された。

 また昭和48年に武蔵野線が開通するまでは金町駅〜久兵衛〜大広戸(現三郷駅付近)〜前間〜吉川〜越谷駅という運行経路だった。ただし昭和40年代になると金町〜越谷間を直通しなくなり、吉川で分割されていた。また小松川経由の系統もあったようだ。

三01は三郷駅とみさと団地を結ぶ区間便。金町発着便や松戸発着便にまぎれており陰が薄い。


亀有〜吉川線

有51 吉川団地〜吉川駅〜亀有駅北口
有53 亀有駅北口〜吉川駅南口
吉03 道庭→吉川駅南口

1944年(昭和19年) 3.1 総武鉄道、東武鉄道と合併。当時の路線は越谷〜吉川〜彦成〜亀有
1973年(昭和48年) 4.1 武蔵野線の府中本町〜新松戸間開業に伴い吉川駅で路線を分割。

亀有から埼玉県吉川市に至る長距離路線。昭和48年に武蔵野線が開通するまでは亀有駅〜吉川〜越谷という経路で運行されており、昭和30年代には亀有から浅草まで乗り入れていた。現在亀有からは吉川駅までしか行かないが、吉川方面の始発停留所は駅ではなくさらに北側の吉川団地である。昔は亀有からも吉川団地まで運行していたようだが、現在は吉川駅〜吉川団地間は片道運行となている。多分渋滞のため定時運転が確保できないからだろう。本数も減少傾向にある。また道庭→吉川駅という区間便も平日に4本だけ存在する。
 平成11年3月までは亀有駅〜水元猿町〜境木〜三郷市役所入口〜三郷団地という路線もあった。この路線の末期は一日数本で、あまり利用者がいなかったようだ。


松戸〜三郷線

松01 松戸駅西口〜三郷団地(大膳橋経由)
松02 松戸駅西口〜新和一丁目(大膳橋経由)
松03 松戸駅西口〜三郷市役所〜三郷団地
松04 松戸駅西口〜三郷市役所入口

1981年(昭和56年) 2.11 東武バス、松戸駅〜大膳橋〜新和一丁目、松戸駅〜大膳橋〜三郷団地間を開業。(社史)
1983年(昭和58年) 5.11 東武バス、松戸駅〜三郷市役所〜三郷団地線を新設。(年報)

 松戸の有料橋を渡り、埼玉県を北上する路線。運行開始は昭和56年2月11日であろう。三郷営業所が運行し、武蔵野線三郷駅を経由し三郷団地に至る。最近は中型車の運行も見られる。大膳橋を経由する東側の系統と三郷市役所を経由する西側の系統がある。大膳橋経由は新和一丁目行の区間便があり、全体の本数も1、2本と少ない。これは常磐線金町駅から三郷団地へ至る系統と並行しているからで、金町発は1時間に4〜5本と多い。三郷市役所経由は途中の戸ヶ崎小学校入口から谷口まで常磐線亀有駅から武蔵野線吉川駅に至る系統と同一区間を走る。かつては亀有から三郷へ至る系統も並行していたが、平成11年3月に廃止され、この経路の三郷行は松戸発のみの単独運行となった。そのため、松戸から見て遠い路線の方が本数が多いという奇妙な事態が発生している。 距離的には長い部類に入るが、利用者は多く、松戸駅では常に乗客が並んでいる。行列は松戸駅西口のバスターミナルでもっとも長く、その長さは20メートルに達することも珍しくない。夕方に遅れが出るとさらにひどくなり、バス停のポールからボックスヒルの入口付近まで長蛇の列ができてしまうこともある。40メートル以上はあるだろうか。

また、これは余談であるが、松01〜松04の系統番号は東武バスの松原団地駅発着便にも使われている。
松原団地駅からは
松01 松原団地循環
松02 松原団地駅東口〜八潮団地
松03 松原団地駅東口〜上彦名〜三郷駅
松04 松原団地駅東口〜青柳循環
松05 松原団地駅東口〜老人福祉センター

松03はほとんど松原団地駅〜上彦名間のみの運行だが、1日1往復だけ三郷駅までやってくる。そのため三郷駅では同一会社の同一系統番号でありながら、実はまったく違う路線のバスが来ると言う奇妙なことになっている。


昭和56年2月11日 松戸駅〜大膳橋〜新和一丁目、松戸駅〜大膳橋〜三郷団地線開通当時の時刻表

  松戸駅 三郷団地 新和一丁目
  三郷団地行 新和一丁目行 松戸駅西口行 松戸駅西口行
  平日 休日 平日 休日 平日 休日 平日 休日
5         48      
6     30 55   10 19    
7   45 34 59 00   34 10 35 58 24
8 22 44     15     23 39
9   00   50 46 09    
10     27 49 30 08 24 51 14
11     12 41 05 50     20 29 59
12 40     20     19 44
13 30 05   35 49 19 09 14
14   25 30 00 50 30 34   04 29
15     11 35 15     14 59 39
16     20 55 00 35     33 14 59
17   20 46 50     24 47 29
18 34 35 09 57     44 12 35 14
19 44     25   59 23 49
20 55 10   40 14      
21 50 25     09     04

市助が三郷市役所入口 茂田井−大広戸−三郷駅前だった。


昭和58年5月11日 松戸駅〜三郷市役所〜三郷団地線開業当時の時刻表

  松戸駅 三郷団地 三郷市役所始発
  三郷団地行 三郷市役所行 松戸駅西口行 松戸駅西口行
  平日 休日 平日 休日 平日 休日 平日 休日
5         55      
6     40   15 34 21 46    
7 19   00 39 05 30     09 30 34
8 00 37 59 00   26 51 10 07 08 00 55
9   22   50 23 29   20
10   52 08 45 19 00   44 22 51
11 10   45 21 56 00 06 49  
12 15 35 45   33 45 19 09 34
13 18 56 00   30 40 15 30  
14   30 25 00   44 54 04 33
15 20 00 50 30 05 35 10    
16 46 35 20 00   55 19 49 05 48
17     19 50 18 45 00   51 50
18   19 21 52 43 33 26 22 17
19 54 38 22 10   51 28 59 12 39
20 25   48 05 35     22 34
21 43 00 30     21   17 04
22 05              


有料橋を渡り埼玉県へと向かう東武バス


新三郷循環

三07 新三郷駅→サブセンター→三郷団地→新三郷駅
三05 新三郷駅→サブセンター→三郷団地→新三郷駅→団地入口→三郷駅南口

1999年(平成11年) 3月20日 三郷団地〜北部循環線を新三郷駅発着に変更。三郷駅行は廃止。

みさと団地内を循環する系統で、北部循環とも呼ばれている。以前は三郷駅から団地内を循環する系統がメインだったが、平成11年3月20日から全便新三郷駅発着に変更されている。これは新三郷駅の府中本町行ホームが北側に移転し、駅前広場ができたことによる。新三郷駅は昭和60年開業の新しい駅であるが、武蔵野操車場を上下線の間に挟んでいたためホームとホームの間が200メートル以上も開いていた。操車場の廃止から10年以上立ちめでたく上下線ホームが一緒になったのだが、何故か団地から遠い方に一本化されてしまった。団地住民はこれまでより200メートル以上も歩かされることになったのだが、自転車置き場や駅前広場を整備するにはスペースが必要だったのだろう。三05は新三郷駅発の片道運行のみで、休日は運休する。


三郷〜吉川線

三13 三郷駅〜鹿見塚〜吉川車庫
三14 三郷駅〜鹿見塚〜吉川駅

2002年(平成14年) 9月2日 早稲田循環線開業に合わせルート変更を行う。

武蔵野線開通以前に走っていた金町駅〜大広戸〜吉川〜越谷線の北半分。ちょっと前まで三郷駅〜吉川車庫間は平日朝夕のみ1時間1本、休日昼のみ1時間1本、三郷駅〜吉川駅は1日2本と風前の灯だったのが、平成14年9月から増便されている。これは利用客の増便というよりも後述する早稲田循環の出入庫便といった意味合いが強い。かつてはさらに北側を走る前新田・前間経由吉川行と言う系統があり、むしろこちらの方が本数は多かったものの昭和50年以降じわじわと減らされ、平成11年に廃止されてしまった。また武蔵野線のすぐ北側を走る半田経由吉川行と言う系統は三郷駅前の路線図にはあるものの、あっさり廃止されたらしい。


早稲田循環

早01 三郷駅北口→丹後小入口→早稲田七丁目南→丹後保育所入口→丹後小入口→三郷駅北口
早02 三郷駅北口→丹後小入口→早稲田八丁目→丹後保育所入口→丹後小入口→三郷駅北口

2002年(平成14年) 9月2日 早稲田循環線開業。

平成14年に新設された系統で、早01が東循環、早02が西循環を名乗る。住宅地を循環するが、ダイヤはあまりパターン化されていない。


吉川駅〜ネオポリス線

吉02 吉川駅北口〜吉川ネオポリス〜おあしす
吉01 吉川駅北口→吉川団地→ネオポリス→吉川車庫

1977年(昭和52年) 6.11 東武バス(吉川)、吉川ネオポリス〜越谷、吉川団地〜越谷線の運行を開始。(社史)
1999年(平成11年) 11.11 東武バス(吉川) 越谷駅〜ネオポリス線を廃止し、吉川〜ネオポリス線のみとなる。
2002年(平成14年) 3.21 東武バス(吉川) 吉川ネオポリス〜おあしす間を延長する。

吉川駅から西へ走り新興住宅団地へ向かう系統。かつては越谷まで直通であったが、現在は吉川駅までとなっている。越谷駅発着便は朝日自動車に移管されたものの、吉川駅発着の短距離系統は東武バスのままで残っている。平成14年には全便がさらに北のおあしすまで延長された。終点のおあしすとは市民交流センターのことで、後述するきよみ野線も経由する。吉01は深夜バスで、吉川団地、ネオポリスと回りこんで車庫へ向かう。


吉川〜きよみ野線

吉05 吉川駅北口〜吉川きよみ野

1996年(平成8年) 3.27 東武バス(吉川)、吉川駅北口〜吉川きよみ野間の運行を開始。(社史)

数年前めでたく市に昇格した吉川市は現在も宅地開発が進んでおり、この系統も吉川駅と新たに開発された住宅地を結ぶものである。こだまみのる氏が管理するさいたま新設&廃止バス路線というサイトによると開設当初吉川市役所経由だったようだが、平成11年4月1日に[吉01]吉川駅北口〜吉川団地を統合する形で吉川団地経由に改められ、旧吉川きよみ野(現おあしす前)から現在の吉川きよみ野まで延長されたということである。

参考 : さいたま新設&廃止バス路線


3.三郷のバスの歴史

 1.戦前

昭和5年の段階では越谷自動車営業所が金町〜吉川間を運行していたらしい。また昭和19年に総武鉄道が東武鉄道に買収された際は金町〜越谷線と亀有〜越谷線の2路線が東武に買収されている。吉川方面から亀有駅への乗り入れはなかったらしい。


 2.戦後 昭和20年〜昭和48年

『三郷市史』によれば、昭和21年の段階で越谷〜彦成〜金町間が3往復、越谷〜早稲田〜金町間が3往復だった。その後昭和31年5月には越谷〜吉川〜八条〜戸ヶ崎間の路線を亀有延長して吉川〜亀有〜北千住間の直通運転を開始した。翌年にはさらに浅草まで延長されている。浅草延長当時の時刻表は以下の通りである。

三郷村役場前発の時刻表 昭和32年9月1日改正 (『三郷村広報』 昭和32年8月号所収)

上り 亀有・浅草行   下り 吉川・越谷行
57   27 6  
37  浅12 7  35
47   17  浅12 8 八05   45
浅42   37 9 吉23  八25  55
07 10 吉23   45
浅42   07 11  15  吉53
07 12  15
浅52   27 13  15  吉53
59   17 14  35
37 15  25
59  17  浅12 16 吉03  八05  45
37 17  25
59  17  浅12 18 八05  吉23  45
37 19 八25
  20  05  吉23  45
浅印−浅草行   八印−八条橋行
吉印−吉川行

 このように三郷周辺の路線は戦後に入って徐々に増強されていったのだが、それでもまだ輸送力不足だったらしく、広報誌には次のような投書が寄せられている。

『広報みさと』昭和38年1月15日号に掲載された投書

「バスは順序よく並んで乗りましょう」

 勤め人の皆さんも、お使いに出かける皆さんも、必ず目につくのが、金町駅や、亀有駅でのバスの乗り方だろうと思います。押し合い、へし合いの、あのすさまじいばかりのありさまは、まるで戦争当時の列車の窓乗りよりも、まだ甚だしいばかりです。老人や子供などは、ケガをしないのが不思議なくらいです。皆さんもうちょっと気をつけましょう。京成バスや都バスは、きちんと並んで、順序よく乗っています。もっとも東武バスは回数が少ないせいもあるでしょう。回数をもっと増発してもらうことは勿論ですが、私たち一人一人がもう少し気をつけたらと思います。最初の四、五人が並べばそれでいいのです。後からきた人は自然にその後に並ぶようになると思います。現代人の名に、はじないようにいたしましょう。 (一村民)

 越谷〜吉川〜亀有線が浅草まで延長されたのち金町〜彦成〜越谷線がどうなったのかはわからないが、おそらく廃止されたのではないかと思われる。しかし越谷〜亀有線は浅草乗り入れを果たしたものの、都心部の渋滞が激しくなったことを受け昭和44年までには都心乗り入れをあきらめ、亀有駅で運転を打ち切るようになった。昭和44年の時点での運行形態は『バス路線表』によると以下のようになる。このような状態が昭和48年の武蔵野線開業まで続いたのだろう。また、昭和40年当時の運賃表も参考資料としてあげておく。

・昭和44年当時の運行形態

金町駅〜越谷駅            往路22回、復路18回 
金町駅〜前新田〜吉川出張所   往路17回、復路21回
金町駅〜小松川〜吉川出張所   4回
亀有駅新道口〜越谷駅        往路22回、復路24回
亀有駅新道口〜八条橋        6回

昭和40年1月16日改定の運賃 (『広報みさと』昭和40年1月16日所収)

越谷〜金町線 越谷〜亀有線
越谷
八条用水 15
東方 15 20
保健所前 15 20 30
広島入口 15 20 30 40
吉川農協前 15 20 30 40 50
前間 15 20 30 40 50 60
茂田井 15 20 30 40 50 60 70
八丁堀 15 20 30 40 50 60 70 80
大正橋 15 20 30 40 50 60 70 80 90
金町駅前 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110
越谷
八条用水 15
東方 15 20
吉川農協前 15 20 30
彦糸 15 20 30 40
番匠免 15 20 30 40 50
境木 15 20 30 40 50 60
戸ヶ崎神社 15 20 30 40 50 60 70
亀有 20 30 40 50 60 70 80 90

 3.武蔵野線開業以降

昭和48年4月15日。武蔵野線三郷駅開業に伴うバス網の再編が大規模に行われた。 『広報みさと』 昭和48年4月15日号所収による再編成後の運行形態は次の通りである。

三郷団地〜三郷駅前〜金町駅駅前 (74回)   吉川出張所〜前新田〜三郷駅前 (往22 復19)
三郷駅前〜南中学校入口〜金町駅前 (往5 復7) 吉川出張所〜半田〜三郷駅前 (往3 復6)
草加駅前〜八条橋〜三郷駅前 (往21 復22) 吉川出張所〜小松川〜三郷駅前 (往1 復0)
三郷団地〜三郷駅前〜市役所〜亀有駅前 (4回)
なお、昭和49年版の三郷市統計では、この他に以下の系統を確認した。
大広戸〜柏 (6回) 昭和51年に廃止
吉川団地〜亀有駅〜三郷駅 (8回)

4.廃止路線

有52 三郷団地〜三郷駅〜市役所入口〜亀有駅
三05 三郷駅〜サブセンター〜三郷駅
三01 三郷駅〜前間〜吉川車庫〜吉川駅
三郷駅〜半田〜吉川駅
三06 三郷団地〜松原団地駅
三郷駅〜草加駅
上彦名〜草加駅
吉川車庫〜柿ノ木二区〜草加駅
柏駅〜大広戸〜草加駅
大広戸〜流山〜江戸川台駅
柏駅〜花野井〜流山〜大広戸
吉川出張所〜野田市駅