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CONTENTS

このフルオ−トエアコンとは、実は、マツダのクロノスのものをそのまま移植してしまったのです。前からデジタル表示されるエアコンが欲しくて、他車の物を流用出来ないかと考えていました。解体屋で使えそうなエアコンを探していると、つぶれて間もないクロノスがあったのです。大きさがちょうど合いそうだったので、さっそくエアコン一式を2500円で買い、装着するための計画を練りはじめたのです。なぜ、オ−トエアコンが流用出来ると思ったかというと、電源が12Vだから動くはず、エアダンパ−を動かすアクチュエ−タがあるはず、そして、センサ−を組み込めば使えるものと考えたからである。車の電子部品はすべて12Vで動作するので流用出来ない物はないと私は思っている。エアコン装着には、一月近く時間を費やしたが、ほぼ、完全に動作させることが出来、思いどおりの結果を得た。その苦労の経過を以下に述べる。


1. 流用エアコン決定、購入

エアコン部品

解体屋でマツダクロノスを見つけ、オ−トエアコン一式を取り外し、2500円で購入。取り外したものを次表に示す。
 まず、苦労した所は、車のフロントがつぶれていてガラスが割れていたので、非常に作業がやりにくかった。そして、どれが必要な物なのかがよく解らなかったので、一通りの部品を取り外した。特に、センサ−類がとりにくい場所に付いていたので苦労してしまった。ハ−ネスは、切断しないと取れそうになかったので、100本以上も束になったコ−ドを切ってはずした。取り忘れた部品などもあり、何度か解体屋に通ってしまった。

オ−トエアコン部品表(fromクロノス)
1コントロールパネル7内気温センサー
2A/Cコンピュータ8外気温センサー
3ハーネス9日射センサー
4エアミスクコントロールモータ10ダクトセンサー
5モードコントロールモータ11パワートランジスタ
6内外気切り換えアクチュエータ12各リレー

2. エアコンの配線図を入手

オートエアコン

コンピュ−タのコネクタから出でいる配線が42本あり、配線図なしでは手におえないので、マツダのディ−ラ−へ行ってエアコンの配線図をコピ−してもらった。(10枚で100円)それから、配線図とにらめっこをし、バッテリにつないで、動作の解析に時間を費やした。配線が解っても、実際にどう動くかが解らないと困るので、一通りのセンサをつないで、各モ−タを動かして見た。簡単に説明すると、設定温度と内気温との差が大きいと、水温が暖まった後にファンが徐々に回りはじめる。温度差が小さくなるとファンは弱くなり、内気温がフィ−ドバック制御される。ファンの強弱は、パワ−トランジスタによって無段階にコントロ−ルされる。温度は、エアミクスコントロ−ルモ−タでエアミクスダンパを動作させ、そして、モ−ドコントロ−ルモ−タで吹き出し口の向きを切り換えることで制御される。ダクトから出る風の温度によってモ−ドが切り替わる。左図はオートエアコンのコントロールパネルである。


3. マニュアルエアコンの解析

マニュアルエアコン

オ−トエアコンに移植するためには、自分の車のどの部品までを使うかを決める必要がある。つまり、マニュアルエアコンのしくみを理解しなければならない。そこで、車からエアコンをはずした。マニュアルエアコンにも制御回路が付いていて、温度センサや、水温センサ、回転数、加速カットなどの入力があり、安全対策を施していることがわかった。純正部品を使用するのは、この加速カットとアイドルアップのVSV、コンプレッサ、ファンモ−タ、ラジエ−タファンリレ−などである。
 次に、吹き出し口切り替えの構造について述べる。吹き出し口切替ダンパは二つあり、モ−ド切替レバ−を操作することによって、上部、下部切り替えとデフロスタの切り替えを行っている。そして、内気外気切替ダンパの開閉により、内気循環、外気導入を選択する。温度調節はエアミクスダンパでヒ−タラジエ−タを通る風量を調整し、吹き出し温度をコントロ−ルする。それぞれのマニュアルレバ−は金属ロッドによってエアダンパとリンクし、開閉させている。左図に純正エアコンのコントロールパネルを示す。


4. 加速カット用遅延タイマ−の製作

加速カットとは軽自動車に付いているもので、加速時にコンプレッサを切って負荷を軽くするためにある。つまり、スロットルポジションセンサによってアクセル開度を検知し、コンプレッサのリレ−を切る仕組である。加速カットを生かすためには遅延タイマ−が必要だった。コンプレッサを直接ON,OFFするとアクセル開度によってぎくしゃくしてしまうので、加速した後にある程度の遅れがあると解決される。そこでタイマ−を自作することにした。タイマ−用ICのNE555を使って、2〜7sで復帰するタイマ−を製作した。


5. アクチュエ−タの組込み

アクチュエータ

前述のように、オ−トエアコンのアクチュエ−タにはモ−ドコントロ−ル、エアミクスコントロ−ル、F/Rアクチュエ−タの3種類がある。エアミクスコントロ−ルモ−タとF/Rアクチュエ−タはそれぞれのエアダンパを金属ロッドを使って動作させる。一方、モ−ドコントロ−ルの場合、吹き出し口の上下を切り換えるダンパと、デフロスタを開閉するダンパがあり、これらを一つのモ−タで制御しなければならなかった。その解決策として、マニュアルエアコンのコントロ−ルパネルにモ−タを組み込むことにした。具体的にはモ−ドコントロ−ルレバ−にモ−タのア−ムをリンクさせて動作させている。
 左図にモードコントロールのアクチュエータの組み込んだ様子を模式的に表す。



6. センサ−の組込み

センサ−対応手法
外気温センサ−ラジエタ−の熱を受けないようフロントバンパ−の内側に取り付けた。
内気温センサ−ダッシュボ−ドの下に取り付け、内気口へゴムホ−スで気流を導いている。
ダクトセンサ−熱交換器部の内側に取り付けた。マニュアルエアコンで使用していたサ−ミスタと同じく吹き出し口から出てくる風の温度をセンシングする役割なので、純正センサ−を流用しようと考えたが、サ−ミスタの特性が異なるため取り替えた。
日射センサ−ダッシュボ−ドの上に取り付けた。配線を短くするために助手席側に装着。
水温センサ−これも純正センサ−を使おうと考えたが、特性が異なるため使用できなかった。そこで、センサ−をヒ−タ−のウォ−タ−パイプ部分に貼り付けた。

7. フルハ−ネスの製作

ハーネス写真 ハーネス図

以上の組み込んだセンサ−やアクチュエ−タ、エアコンの純正部品とコンピュ−タを結ぶハ−ネスを製作した。配線の数が多くなり、総端子数が約100本、そしてコネクタの数が約20 個にもなってしまい、一日じゅう半田ごてをつけっぱなしで作業を続けた。そのフルハ−ネスレイアウトの詳細を図に示す。写真はハーネス完成時のもの。



8. コントロ−ルパネルの装着

コンソール

純正のエアコンとオ−ディオは、ダッシュボ−ド中央に並んで配置されていた。オ−トエアコンのコントロ−ルパネルは、純正の位置にそのまま取り付けようと思ったが、パネルの大きさが1DINサイズよりも若干大きかったので、そこには入らなかった。そこで、オ−ディオの位置とエアコンの位置を入れ替えることにした。コントロ−ルパネルはカバ−の枠を少し広げることオ−ディオの位置にすんなりと入った。右の写真が実際に装着した写真である。
 コントロ−ルパネルの奥にはマニュアルエアコンのレバ−ユニットにモ−タ−を組み込んだものを配置している。また、A/Cコンピュ−タはインジェクションコンピュ−タの裏に取り付けた。そして、その横には放熱性を考えてパワ−トランジスタを取り付けてある。



9. システム完成、オ−トエアコン始動

配線と装着を終えて、フルオ−トエアコンのシステムが完成した。実際に始動してみて、わかったことは水温が低い時には暖房が効かず、ファンから微風が出ている。そして、水温が暖まると徐々にファンが強くなっていき温風が出る。パワ−トランジスタによる無段階風力調整は高級感を味わわせてくれる。暖房と冷房の判断は、外気温度と内気温度との温度差を検出することで行う。ク−ラ−時も同様に外気温との温度差が大きければファンの出力は最大になり、設定温度に近づくにつれて徐々にファンは弱まっていく。このエアコンにはエコノミ−モ−ドがあり、このモードで使用するとコンプレッサの使用時間が短縮されるようである。また、日射センサの役割は、室内に太陽光が差し込むと、エアコンの吹き出し口が上部に切り替わり、涼しい風を循環させてくれることであった。一つ問題であったのが水温センサの位置だった。水温センサは、クロノスでも間接的に温度をセンシングしていたので同様にエアコンのダクト壁に取り付けた。しかし、この状態では熱伝達が妨げられて反応が鈍くなってしまい、温風が出てくるのに時間がかかってしまった。そこで、センサをヒ−タ−の熱交換器へきているパイプに貼り付けた。これにより、若干反応が早くなった。
 それから、ヒ−タ−をつけて車を走らせた後、停車していると何故かク−ラ−が入ってしまうことがしばしばあった。これは、外気温センサ−がラジエタ−の熱で実際よりも暑いと判断してしまうからではないかと考えられる。そこで、センサをラジエタ−から離れた場所に移動した。これにより若干解決されたようだが、完全には解消されなかった。よって、この原因は他にあるのではないかと考えられるが、まだ未解決である。試行錯誤の結果、かなり満足のいく動作をしてくれるようになったので、このオ−トエアコン移植計画は成功である。ちなみに、総改造費は5000円を越えていないであろう。一般的にディーラーオプションで装着するこのクラスのエアコンは20万円以上はかかるようだ。自分でもこの改造にはとても満足している。なにしろ軽自動車でオートエアコンをつけてる車なんてこの車だけなのだから・・・・・。  追加:さて、季節は7月となり、クーラーの必要な夏になってからのレポート
 やはり、予想通り車内が暑いときは、エンジン始動開始からエアコンは全開になる。そして、設定温度に近づくと徐々にファンは弱まっていく。また、暖房時と同様に、クーラーをつけて走行後、停車してから、再び走り出すと、なかなかクーラーが入らないことがある。ファンは全開なのだがコンプレッサが入らないのだ。そして、しばらくすると入る。やはり、外気温センサの仕業と考えられる。


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